人々が関心を寄せる理由は、2020年8月29日に開通した「甑大橋」にあります。もともと上甑島〜中甑島は「鹿の子大橋」「甑大明神橋」でつながっていましたが、中甑島〜下甑島は未開通のまま。島に住んでいる方々も船を使って島を行き来するしかなかったのです。事業着手から要した月日は、なんと15年。まさに悲願の開通でした。
開通直後、9月初旬に甑列島付近を通過した台風10号は大きな爪痕を残しました。でも、橋のおかげで上甑島から下甑島へ速やかに復旧支援が行き届いたのだそう。島民にとっての大切なライフラインが整っただけでなく、観光客にとっても甑島全体をより気軽に楽しめるようになったのはうれしいことですよね。
な、ながーい!鹿児島県内で最長の1,533m、圧巻の長さです。こちらの写真は、下甑島の「鳥の巣山展望所」から撮影したもの。晴れている日には、最高なブリッジビューが広がります。視界のど真ん中を貫く橋は、中甑島に向かってゆるやかな登り坂になっているのですが、これは大きな船が橋の下を通れるよう調整された結果なのだとか。海面から橋までは約23mとかなり高さがあります。ちなみに、橋は自転車・徒歩でも渡れるようですが、路側帯は狭いので写真撮影の際には十分に気をつけましょう。
対岸に中甑島を望む鳥巣山展望所にはこんな場所も。遊歩道を歩いていくと、断崖に刻み込まれた地層を間近に見ることができます。
夏にはこの辺り一帯に薩摩川内市の市花である「カノコユリ」が自生している姿を見られます。花言葉「荘厳」が表すとおり、断崖でもたくましく花を咲かせ、上品な甘い香りで魅了してくれます。