青い東シナ海と同じブルーボディ。車内は従来の食堂車と一線を画すレストラン空間
観光列車「おれんじ食堂」のコンセプトは、「変わりゆく美しい九州西海岸の景色を眺めながらゆったり、のんびり、スローライフな旅が楽しめる快適空間の演出」。その言葉どおり、1車両に23席以下というゆとりある空間の中、カウンター席や半個室タイプのソファー席などを西に広がる海がよく見えるようレイアウトしています。季節の花々が飾られ、両県の工芸品を展示するショーケースが置かれた車内は、ちょっとしたレストランのような雰囲気。そして車窓には、天草の島々を望む不知火海、東シナ海と菜の花や季節の柑橘類の競演、さらに秋から春にかけてはツルが舞う出水の田園風景など、四季折々の絶景が次々と現れます。
※詳しい運行ダイヤは、公式サイトをご覧ください
あの鉄人シェフ監修のランチも登場!車内限定グルメに舌鼓
観光列車「おれんじ食堂」のもうひとつの旅のテーマは、「“食”を通じて沿線の魅力を知ってもらう」こと。この列車では、沿線地域の特産物を使用した「おれんじ鉄道プロデュース」料理が味わえるのです。しかも、便ごとに趣向の異なるお料理が提供されるのだそう。
(※写真はすべて一例)
ショッピングにビーチ散策など停車駅も魅力たっぷり
車窓や食事だけではなく、停車駅でのひとときも「おれんじ食堂」の旅の魅力のひとつ。
駅に隣接する東シナ海沿いのビーチへのお散歩も楽しめます。次に停車する阿久根(あくね)駅はとてもモダンな雰囲気。駅舎内にはショップやカフェのほか、絵本から歴史書までズラリと並ぶライブラリーや木のおもちゃ満載のキッズスペースも。実はここ、「おれんじ食堂」や「はやとの風」などJR九州の車両デザインを手掛ける工業デザイナー水戸岡鋭治さんによるデザイナーズ駅なのです。列車の世界とはまた異なる水戸岡ワールドを、時間の許す限り満喫してみて。
やがて「おれんじ食堂」3便は、終着駅の出水駅へ。列車を降りたら、鹿児島最北の町・出水市を散策してみましょう。
日本で唯一のツルのミュージアム「出水市ツル博物館クレインパークいずみ」
地元のブランド鶏&卵のご当地グルメ「いずみ親子ステーキごはん」
出水市が誇る2大ブランド鶏「南国元気鶏」「赤鶏さつま」を使ったご当地グルメ。柔らかな鶏肉ステーキ、特製の「鶏ダシTKGの素」をかけた卵かけごはん、さらにチキンサラダにたまごスープも付いた、ブランド鶏の肉と卵、つまり“親子”の食材を使ったメニューです。市内の4店舗で味わえますが、出水駅から徒歩約5分で行けるのが「味処魚松」。「南国元気鶏」のモモ&ムネ肉のステーキは季節ごとに変わるつけダレで。鶏肉の薫製入りサラダも人気です。
味処魚松
電話/0996-62-0655 住所/鹿児島県出水市昭和町50-27
営業時間/11:30~14:00、17:30~23:00 定休日/日曜日・木曜昼
400年前の石垣が残る武家屋敷群を牛車に揺られながらのんびり散策
薩摩街道でつながる肥後国(現在の熊本県)との国境にあり、戦国時代から防衛上の重要拠点だった出水。市内には当時の町割りや石垣などを残す出水麓武家屋敷群があり、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。その武家屋敷群内の約1kmを牛車に乗って観光するガイド付きツアーが「いずみ観光牛車」。乗車後は牛車の茶屋にてお茶のサービスがあります。
JR出水駅から徒歩5分の源泉かけ流し!「桃晃温泉 ホテル桃晃」
温泉王国と言われる鹿児島県。出水市でも山間部や海沿い、市街地に湯処が点在しています。駅前にあるこのホテルも地下1120mから湧き出る天然温泉が楽しめる大浴場を併設。やや黄色味かかった湯はなめらかで、つるつるした肌触りから美人の湯としても評判です。ホテルの前には無料で利用できる足湯があり、こちらも天然温泉かけ流し。
桃晃温泉 ホテル桃晃
電話/0996-63-7111 住所/鹿児島市出水市昭和町11-22
立ち寄り入浴/6:00~22:00(最終受付21:30)
足湯/10:00~19:00(夏の時期)、10:00~18:00(冬の時期)
定休日/荒天時