奄美大島
亜熱帯照葉樹林やマングローブ原生林などの環境に、アマミノクロウサギなど固有の動植物が生息・生育している奄美群島最大の島。5市町村に大小約200の集落があり、「本場奄美大島紬」や島人の暮らしに溶け込む「島唄」「八月踊り」など、独特の文化も息づいています。
【7エリア|24コース|244㎞】
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奄美大島最北端を歩こう
【佐仁・用海岸・笠利・須野コース(笠利エリアA区間)10.2km】
島の文化が色濃く残る集落を歩くコース。伝統的な茅葺きの高倉も見られます。佐仁(さに)集落は奄美大島最北端の集落で、「八月踊り」「島唄」「島料理(島ジュウリ)」などの島文化が特に色濃く残っています。コース枝線の先にある笠利崎(用岬)の目印である灯台前には亀のモニュメントがあり、ご利益があると評判です。 -
祈りと歴史探訪のシマ
【小浜町・浦上町・大熊展望広場コース(名瀬エリアA区間)10.5km】
市街地をスタートし、かつて神事が行われた「おがみ山」などのスポットや名瀬の町並みを一望できる展望広場へ向かうコース。田中一村終焉の地や地蔵、護岸跡などから、シマ(集落)の歴史と祈りの文化にも触れることができます。どのように暮らしが変化してきたのか想像しながら歩くと、島の新たな一面が見えてくるかもしれません。
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夕日に照らされた2つの峠を越える道
【長浜町・朝仁・大浜海浜公園コース(名瀬エリアC区間)10.0km】
2つの峠を越えて大浜海浜公園を目指すコース。1つ目の朝仁峠では、名瀬の町と港を見渡せる赤崎公園にも寄り道してみましょう。海沿いの集落を通り、2つ目の峠を越えると、奄美大島有数の夕日スポット大浜海浜公園にたどり着きます。島の西海岸に面するため、夕暮れ時の海や集落を眺めながらの散策がおすすめです。 -
国内有数のマングローブと命のゆりかご住用湾
【マングローブ・山間コース(住用エリアC区間)4.9km】
西表島に次ぐ国内2番目に広いマングローブ林から穏やかな干潟へと景色を変える、住用(すみよう)湾沿いを歩くコース。マングローブ林を上から眺めることができ、水と緑が豊かな美しいランドスケープは必見です。山間(やんま)集落前には集落のシンボルである大きな石に根が張った巨大なガジュマルを見ることができます。
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歴史とあなたを“つなぐ”道
【国直・大和浜・大金久コース(大和村エリアA区間)14.4㎞】
国直(くになお)集落のフクギのトンネルをくぐってスタートする、大和村の11 集落のうち7集落をめぐるコース。大ダコの伝説が残される津名久(つなぐ)集落や、黒糖製造の始祖を祀る神社など、知れば知るほど面白い多くの見どころに出会えます。中間地点の大和まほろば館では、村内産の果物を使ったスイーツも味わえます。 -
エメラルドグリーンの海岸線に広がる絶景と子宝の石
【佐念のガジュマル・タエン浜・屋鈍の三月石コース(宇検村エリアC区間)10㎞】
佐念(さねん)集落の大きなガジュマルから西へ向かうと、白い砂浜とエメラルドグリーンの海に生息するサンゴや、東シナ海最大の無人島である枝手久(えだてく)島を眺めることができます。屋鈍集落のコース枝線上には大きな岩のパワースポットの三月石(子宝の石)もあるので、寄り道してみてはいかがでしょうか。
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彼方へ想いを馳せる山の道、瀬戸内の歴史に触れる海の道
【古仁屋・高知山・油井岳・小名瀬コース(瀬戸内町(本島)エリアB区間)14㎞】
高知山と油井岳、瀬戸内の2つの頂きを目指す山の道。高知山展望所では、よく晴れた日には徳之島まで見通すことができます。傾斜を避けたい人は、海沿いの道を進んでみましょう。戦争の歴史を残す遺跡や100 年以上続く伝統の豊年踊りが残る集落など、島の人の気持ちと暮らしに触れられます。 -
ふたつの海を見渡せる絶景トレッキングロード
【りゅうがく館・加世間峠・行盛神社コース(龍郷町エリアC区間)11.0㎞】
加世間(かせけん)峠では、赤尾木(あかおぎ)・手広(てびろ)の両集落と、西海岸・東海岸のふたつの海を同時に見下ろせる絶景トレッキングを楽しめます。平家伝説が色濃く残る戸口(とぐち)集落には、安産や学業の神と言われている戸口厳島神社や平行盛が祀られる行盛神社があり、見どころ満載です。
加計呂麻島・請島・与路島
奄美大島の南に位置する島々。戦時中の軍事施設やノロ(祝女)祭祀で使われた建物などが多く現存し、一昔前の奄美の風景が残る「加計呂麻島」、島の90%を深い森が占め、ウケユリやウケジママルバネクワガタなど、島の名を冠する多様な動植物が息づく自然豊かな「請島」、昔ながらのサンゴの石垣が連なる1島1集落の島「与路島」と、それぞれ特色が異なります。
【1エリア|5コース|54㎞】
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海の色いろいろ 海のグラデーションの道
【タンマ海岸・夕日の丘・実久コース(瀬戸内町〈加計呂麻・請・与路〉エリアD区間)13.1㎞】
瀬武(せだけ)から薩川(さつかわ)の途中、高台から見る薩川湾や、護岸のない白浜が美しいタンマ海岸などが見どころです。芝(しば)から実久(さねく)に向かう林道にある「夕日の丘」では、昼は青い海、夕方には夕日が楽しめます。コースの最後には疲れが吹き飛びそうなほど美しい海、通称「実久ブルー」が待っています。 -
アカヒゲサウンドと請島色彩まんでぃロード
【請島コース(瀬戸内町〈加計呂麻・請・与路〉エリアE区間)3.9km】
アカヒゲのさえずりや風・波の音をBGMに池地(いけじ)集落へと歩くコース。道中の展望台からは請島ブルーの海と加計呂麻島を一望できます。そして、真っ白な砂浜が自慢の「クンマ海岸」、川面に枝を垂れたデイゴの巨木を通って池地港へ。請島の魅力を”まんでぃ”(たくさん)感じながらゆったりと過ごすことができます。
喜界島
1年に約2㎜という世界でも屈指の速度で現在も隆起し続けている、学術的にも貴重な隆起サンゴ礁でできた段丘の島。平坦でミネラル豊富な土壌を活かした農業が盛んで、特に白ゴマの生産量は日本一。ヒメタツナミソウなどの固有種、オオゴマダラ(蝶)やガジュマル巨木などの動植物にも出会えます。
【1エリア|4コース|59㎞】
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夕日の散歩道とガジュマル巨木に続く道
【空港・荒木・花良治コース(喜界島エリアA区間・喜界町)14.8㎞】
パワースポットのガジュマル巨木をはじめ、野鳥や植物など島ならではの動植物に出会えるコース。海岸沿いでは隆起サンゴの段丘が形成され、希少な植物群落に囲まれた遊歩道が続きます。夏から秋にかけて収穫されたゴマが干される光景(セサミストリート)を、冬には荒木中里遊歩道でホエールウォッチングを楽しめます。 -
隆起サンゴ礁の記憶をたどる蝶とサトウキビの道
【阿伝・百之台・早町コース(喜界島エリアB区間・喜界町)13.1km】
サンゴの石垣が今も多く残る阿伝(あでん)集落で喜界島の原風景を楽しみ、七十七曲りと呼ばれる隆起サンゴの断崖を登って地球のダイナミズムを感じられるコース。七十七曲りを乗り切ると、百之台では蝶の飛び交う幻想的な風景や、太平洋が一望できる大パノラマを満喫できます。
徳之島
山や丘陵地、隆起サンゴからなる石灰岩の大地など、地形の変化に富んだ島。徳之島三山の天城岳・井之川岳・犬田布岳にかけて亜熱帯照葉樹林が広がり、アマミノクロウサギなどの固有の動植物のすみかとなっています。400年以上続く闘牛文化は全国的にも有名で、今も受け継がれており、自然と人との良好な関係が感じられます。
【3エリア|9コース|98㎞】
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海の力を感じる、 手つかずの白い砂浜と奇跡の奇岩群
【母間・花徳・山コース(徳之島町エリアB区間)12.9km】
母間(ぼま)集落内の小道にはサンゴの石塀が多く残り、ノスタルジックな雰囲気があります。畦に向かう高台では紺碧の海が眼下に広がり、黒畦では神秘的な奇岩群に目を奪われます。世界自然遺産に登録された天城岳の麓に広がる山(さん)集落では、アマミノクロウサギなど希少で固有の生き物たちに出会えるかもしれません。 -
大自然と共存、 懐かしさを感じる潮の香り漂う集落を歩く
【金見・手々コース(徳之島町エリアC区間)8.3km】
手つかずの大自然が残る徳之島最北エリア。金見(かなみ)集落の東側にはサンゴ礁の鮮やかな青色が広がり、集落から展望台への道は、大小様々なソテツが織り成す幻想的な空間です。金見-手々(てて)間では、雄大な海岸や野鳥のさえずり、島の原風景に触れることができます。
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海が聞こえる絶景めぐり
【与名間・松原・浅間コース(天城町エリアA区間)12.6km】
ムシロ瀬の海岸に広がる巨岩群の絶景やヨナマビーチの穏やかで美しい砂浜を眺めることができるコース。トリトリデッキ(野鳥観察台)では松原漁港から浅間にかけて広がるイノー(珊瑚礁に囲まれた浅瀬)にやってくる渡り鳥を観察することができます。 -
いのち溢れる森歩き
【当部・三京・秋利神コース(天城町エリアC区間)16.3km】
緑豊かな美名田林道を過ぎると辿り着く当部(とうべ)集落には、古くから島民の飲み水として利用されてきた泉”東又泉(アガリマタイジュン)” や、板根が特徴的な”オキナワウラジロガシ”があります。当部から三京(みきょう)への道中では、徳之島三山(井之川岳・天城岳・犬田布岳)を一度に眺めることができます。
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ウミガメの砂浜と闘牛とたまちょの木漏れ日のトンネル
【喜念・面縄・古里コース(伊仙町エリアA区間)9.3km】
ウミガメが産卵する白い砂浜や、集落の小路、「たまちょ」と呼ばれる植物が覆う海に続くトンネル、そして舟の目印にもなったデイゴの木のある神社や集落に残る神道など、伊仙の暮らしを感じられるコース。コース途中やなくさみ館で、散歩や練習している闘牛に出会うことができるかもしれません。 -
ヒラ( 坂)とムリ( 丘)とサンゴの石垣の阿権集落
【伊仙・阿三・阿権コース(伊仙町エリアB区間)6.6km】
畑と広い空の中を進む坂(ヒラ)や丘(ムリ)の多いコース。巨大なフクギ並木に囲まれたお屋敷、亜熱帯植物が茂る徳之島コーヒーの農園、町並みと海を臨むスポットなどが点在しています。コースのハイライトはサンゴの石垣と300年ガジュマルが圧巻の阿権(あごん)集落。伊仙の風土を活かした文化に触れられます。
沖永良部島
海食崖やドリーネといった独特な地形が見られる石灰岩地形が発達した島。地下には、石灰岩が地下水に溶かされてできた数多くの鍾乳洞があり、こうした地形を生かしたケイビング(洞窟探検)も行われています。さとうきびやじゃがいもなどのほか、テッポウユリやグラジオラス・キクなどの花き栽培も盛んで、「花と鍾乳洞の島」とも呼ばれています。
【1エリア|6コース|71km】
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ごつごつカルスト台地の断崖絶壁
【田皆岬・沖泊コース(沖永良部島エリアA区間・知名町)12.5km】
断崖絶壁のダイナミックなカルスト台地を歩く、ネイチャー感の高いコース。高さ51mの断崖絶壁「田皆岬」は奄美十景の1つで、波が穏やかな時はエメラルドグリーンの海にウミガメが泳ぐ姿を見ることができるかもしれません。沖泊に向かう道中では、断崖景観が望めます。 -
海と畑に挟まれたくねくね小路と秘密の浜
【屋子母浜・正名コース(沖永良部エリアB区間・知名町)11.1km】
防風林と畑に挟まれた細い道を進む海沿いのコース。石垣で作られた不思議な形の見晴台「シキャントゥ」からは、水平線や畑が並ぶ島内の景色など360度展望することができます。また、海とサトウキビの間に続く小路を行くと、ひっそりとした白い浜が度々現れ、その景色を独り占めできます。
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浜・断崖・潮吹き穴 沖永良部の海をまるごと楽しむ
【空港・フーチャ・西原コース(沖永良部島エリアE区間・和泊町)15.1km】
穏やかで静かな小さな浜辺から、迫力ある断崖絶壁沿いの道、潮吹き穴(フーチャ)を覗き込める石の橋など、様々な海の表情を楽しめる、奄美群島国立公園の海岸線を進むコース。フーチャ周辺では一年中かなりの高確率でウミガメを見ることができ、1~3月はタイミングが合えばクジラも見られるかもしれません。 -
海に突き出る岬とソテツジャングル
【ワンジョ・半崎コース(沖永良部島エリアF区間・和泊町)13.7km】
ジャングルのようなソテツトンネルを抜けて少し進むと、エメラルドグリーンの穏やかなワンジョビーチが現れ、坂を登り畦布(あぜふ)集落を通り過ぎると、コースのハイライトの半崎にたどり着きます。海に突き出た絶壁の岬は迫力満点!冒険気分を味わえるコースです。
与論島
奄美群島の最南端に位置し、奄美群島最大の規模を誇るサンゴ礁に囲まれた美しい島。干潮のときに沖合約1.5kmに姿を現す真っ白な砂浜「百合ヶ浜」では、360度エメラルドグリーンの海に囲まれた神秘的な美しさを体感できます。白い砂浜の沖合はるか遠くまでサンゴ礁が広がっていて、島を囲む海岸の約半分が奄美群島国立公園に指定されています。透明度の高いヨロンブルーの海が人々を魅了するリゾートアイランドです。
【1エリア|3コース|24㎞】
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ヨロンブルーの海に一番近い道
【寺崎・皆田・大金久海岸コース(与論島エリアB区間)6.2km】
目の前に広がるヨロンブルーの澄んだ海、白い砂浜、照りつける太陽、キラキラ輝く海岸線を歩くコース。隠れパワースポットと呼ばれる鳩の湖(枯れない水)を探したり、幻の砂浜・百合ヶ浜へグラスボートで寄り道したり、与論島の自然を体いっぱいに感じることができます。 -
与論の頂と琉球を感じる道
【赤崎・城集落・ビドウコース(与論島エリアC区間)9.2km】
与論島に初めて人が降り立った場所と言われる赤崎海岸から始まり、古い石垣や樹齢約400年のフクギが残る集落を辿り、ご先祖たちが住居を移動した歴史を追うコース。高低差があり、与論島のコースの中では難易度は高め。歩きながら沖縄の島影を眺めることができ、ゴール前の尾道(ビドウ)遊歩道からの眺めは特に絶景です。
旅に便利なトレイルマップ
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・全14冊/1冊500円(マップ販売の収益の一部はトレイルの運用や管理に充てられます)
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